障害児は落ちこぼれ?~自閉症児が留学したらこんなことが!」(3)

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【ニュージーランドの教室風景】

(ここまでのお話を知りたい方はこちらをご参照ください)

やってみた「自閉症児の留学」~ニュージーランド留学、ここがすごい!(2)

ニュージーランド移民もびっくり!~「えっ? 自閉症児が海外留学?」(1

■ ティーチャーエイドとラーニングサポートセンター

◆ ニュージーランド(以下、NZ)にて公立高校に勤めていた時の私の職名は

「ティーチャー エイド」(以下TA)といいます。

TAとは、「特別な援助が必要な生徒」を個別にサポートする補助教師のこと。

小中高校にて、援助を必要とする生徒の人数とニーズに応じて配置されています。

◆ 「特別な援助が必要な生徒」が補習のために利用する教室は「ラーニングサポートセンター」(以下、LSC)という補習室。

ここにはLSC専門員が一人常駐し、TAが必要に応じて生徒に付き添っています。

あ、ここでみなさん、「あぁ、特別支援学級みたいなー?」と思われますね?

ちと、違うんですよー。

「特別な援助が必要な生徒」=「身体および知的障害児」とは限らないというお話、

これも前号でご説明しました。

(もう一度確認したい方はこちら↓をクリック)

やってみた「自閉症児の留学」~ニュージーランド留学、ここがすごい!(2)

そう、LSCを利用する生徒のニーズは様々で、障害の有無だけで一線を引かれるものではありません。

例えば、留学生や読み書きが苦手といった健常児の生徒などもLSCを訪れてくるわけです。

そこに重ねて日本の特殊学級と大きく違うのは、集う生徒たちが流動的であること。

生徒は、それぞれ個別に工面された時間割に沿って、時にはレギュラークラス(普通学級)で、時にはLSCで、

と校舎を渡り歩き、教室を行き来しながら一日を過ごします。

一歩教室に入れば「しょうがいじ」「けんじょうじ」の区別はまったくありません。

みんな一緒。

TAたちは、

「次の時間はAくんと数学のクラスだわ」

「私はBくんと体育、あなたは?」

「私はLSCで5人の生徒と調理実習よ」

と、TA担当表を片手にに走る走る!

LSCの教室のあちこちでマンツーマン学習やグループ学習が。

レギュラークラスでは、その生徒の隣にTAが座り、
「つきそいお助け教育」が繰り広げられております。

こんな光景、もちろん、わが学校だけではなく、ニュージーランドすべての学校で見ることができます。

■ ニュージーランドの高校で自閉症Fくんが叫んだ言葉

かくゆう私も、Fくん担当のTAとして彼の時間割にあわせて彼のお隣で一緒に授業を受けました。

そりゃ、もう、毎日が学びと発見の連続♪

Fくんと肩を並べて教室に入って勉強し、一緒にラグビーゲームに燃えるのでした。

日本では、生徒数5人の特別支援学級に在籍していたFくん。

ニュージーランドでは、数えきれないほどのたくさんの生徒から、

「やぁ! 元気かい?/ おはよう!]

(Hi, How are you doing? /  Good morning!」

などと声をかけられます。

「うん、元気だよ。ありがとう!」

(Good thank you!)

人見知りだったFくんが、自然にそんな会話ができるまでに、そう時間はかかりませんでした。

そして、

ニュージーランドに来て2週間ほど経った頃だったでしょうか、

アートのクラスからESOLのクラスへの移動中、彼はスキップしながらこう叫びました。

「みゆきさん! 

この学校には、たくさんの人がいるね。いろんなことが起きるね。

勉強するって楽しいね!」

【(教師が)落ちこぼす?×(生徒が)落ちこぼれる?】

個別指導だの特別支援教育だのといった大仰なことではありません。

時には丸ごと、時には小出しに、時には第三者をも巻き込んで、その生徒が極力自分の力で挑戦のチャンスを得、達成感を味わえるよう「暮らしを応援するシンプルな心と手」……

TAはその生徒に見合った心と手を提供しているに過ぎません。

あぁ、やさしきかな、見守る心。温かきかな、援助の手。

教育の落ちこぼしをせず、落ちこぼれをつくらず、どの生徒もあたりまえの権利として学校に通っているNZの教育現場は、これまで日本の特殊教育の現場で私を悩ませてきた「差別や偏見に縛られた障害児論」をいとも簡単に覆してくれました。

福祉の視点で教育を施すとは、つまりはこういうことなのだなぁ……

と、生徒の横で授業を受けながらしみじみ思うのであります。

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