もくじ
【中高年の男性陣よ! 失業ごときで死んではならぬ!】
夫の海外赴任でアメリカに住んでいたある日のこと。
日本の男性の平均寿命が戦後初めて短縮した、というニュースがテレビで流れました。
たしか、「NHK World」のチャンネルだったと思います。
家族みんなで、焼うどん、食べてた時だったかな?
(どうでもいい……? (;^_^A)
で、
その「男性平均寿命の短縮」の理由がなんと!
中高年の自殺者の増加
……「リストラによる失職。会社でも家庭でも居場所がなくなったゆえの絶望感のしわざ」
なのだそうで。
「えーー?! 日本のお父さんたち、かわいそうだねぇ」
↑
これ、当時10歳の次女の言葉です。
「あれ? でも、おかあさん?
どうして仕事がなくなると、おうちの中に居場所がなくなるの?」
↑
これは長女、当時12歳の言葉。
リストラにより失職したとしても、
家庭がある、
地域社会もある、
仕事はまた探せばいいじゃないか、
なぜに死ぬ必要があるのか?
……と彼女は言いたいらしい。
う~む、ごもっとも。
■ 専業主夫でも、カッコいいダディー in ニュージーランド
わが家が移住し居を構えておりますニュージーランド(以下NZ)には、
専業主夫が、そこここにおいでになります。
平日の日中、
ベビーカーを押す父親が、スーパーで実にさわやかな姿で買い物をしています。
家事に大いに参加する夫の代名詞
=「キウイ(NZの)ハズバンド(夫)」
と呼ばれるほどに、
この国のイクメン(または主夫)率は高く、
◆ 父親 → 学生 or 失業中、
◆ 母の方が稼ぎがよいので、父が主夫、
なんていう夫婦の図は、ぜ~んぜん珍しくありません。
仮に、夫が大黒柱でエリートサラリーマンであっても、
おうちに帰ればキッチンに立つし、
妻にコーヒー淹れるし、
子どもや犬と、もちろん妻と一緒にお散歩なんかもしちゃいます。
子どもたちは、
「お父さんのステータス」や、
「お父さんの稼ぎ」や
「お父さんの会社名」
には、まったく関心ございません。
子どもたちにとって大事なのは、
「お父さんが、いつも私の隣……ここにいてくれる」
それだけ。
「お父さんの最愛の人は、お母さんとボク(私)たちで、
お父さん、お母さんがいれば最強!」
それで十分。
ベビーカーを引き、子どもたちと遊び、エプロンしてクッキング。
天気がいい日には、芝刈りやDIYを楽しむお父さん。
子どもたちにとっては、じゅうぶんにカッコいいダディーなんであります。
■ 僭越ながら……わが家の場合 in ジャパン
かくゆう わが家。
私たちがアメリカ駐在の後、
ニュージーランドに移住した経緯はと言いますと……
……実は
「妻から夫への愛情と敬意ゆえの爆弾提言」
が発端なのでございます。(笑)
アメリカ、サンフランシスコに駐在していた夫。
それはもう……。
日本とアメリカの時差の中、
日本企業戦士代表のごとくヘロヘロに働いておりまして。
えぇ。
心身共に限界をきたしておりました。
このままでは、過労自殺も招きかねない……
か~なり、ヤバい状態でありました。
で、妻の私が申し上げたんでございます。
↓
「このままではあなた、過労で死んじゃう!
2人でゼロに戻って冒険の旅に出よう!
大丈夫、暮らしは何とかなる!
なんとかする!
会社なんかさ、クビになっちまおうぜぃ!」
幸せをあきらめたかのような、
魚の目をした、
過労自殺をもしかねなかった夫を前に、
妻の私が発したこの提言。
今でも悔いはございません。
【職なし・家なし一家でも、こうして幸せになれる!】
■ かなめは、夫婦のあり方
半年後、
夫は。
晴れて?
副社長の座を自らの意思で降り、
ニュージーランドへの冒険の旅に出ようと立志しました!
そして決行★
愛しあい、支え合い、互いが尊敬のまなざしで見つめ合う夫婦であれば、
子どもたちは、それだけで安心。
安心安全な居場所にいるからこそ、
彼らは両親を信じ、両親から学び育っていきます。
「よりよい教育」「子育て」を考える時、
まずは「夫婦のあり方」を、私は自分に問います。
1999年.
夏。
こうして、
「職なし、家なし一家」
ひとり、ひとつずつスーツケースをコロコロ引いて、
オークランド国際空港に降り立ちました。
まずは街に出ようとシャトルを待つ間、
夫と手をつなぎ、
「プーのおとうさん」を見上げる娘たちの笑顔を見て
妻は確信しました。
この笑顔たちは、
「お父さんすごい! こんな素敵なところに連れてきてくれてありがとう!」
と言っているに違いない、 と。